rTMS 療法とは?
薬物治療で十分な効果が得られなかったうつ病患者を対象とした最新の治療法です。左側頭部に磁気を発する機器を当てることで、磁気が脳の神経シナプスに作用し、脳の活動が正常化され、うつ症状を緩和するとされています。
対象の方
- 成人のうつ病患者
- お薬の治療では効果が不十分な方
治療の概要
入院前に rTMS 療法が適応可能かを専門医が判断します。
日本精神神経学会が提示する rTMS 適応使用指針に基づいて判断を行います。
- 1回約40分
- 週5回(月~金)、6週間で最大30回
- 入院期間は主治医と相談して決めていきます
活用できるその他の治療手段
rTMS 療法のみではなく、他の治療法を併用できます。
リハビリテーション(作業療法)
心理教育でうつ病について学んだり、ストレスマネジメントでストレスとの付き合い方を考えていきます。創作や運動のプログラムで、集中力を高めたり、気分転換をしたり、体力の維持改善も行います。作業療法プログラムへの参加が規則正しいリズムで生活が送れるようになります。
カウンセリング
臨床心理士との個別面接です(主治医の指示が必要)。ご自身の感情や認知、行動特性、不調のパターンなどを丁寧に振り返り、今よりも生きやすいあり方について一緒に考えていきます。
リワークプログラム
休職中の方や、仕事復帰の意志がある方を対象に復職支援を行っています。症状の安定・生活リズムを整えることを中心に、休養にてエネルギーを蓄えながら、復職を目指します。退院後も外来やデイケアでのリハビリテーションを受けながら、復職を進めることができます。
うつミーティング
抑うつ状態を経験し、現在も抑うつ的になりやすいなど、うつの症状で悩んでいる患者さん同士の話し合いの場です。自分の状態を語ったり、他の人の話を聞くことで安心感を共有したり、回復のきっかけになることを目指します。
rTMS 療法担当医師
代表担当医 田仲 美緒、他担当医5名
rTMS 療法に関するお問い合わせ
向陽台病院 代表 TEL:096-272-7211(9:00~16:30 平日のみ)
よくある質問
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副作用はありますか?
治療中、刺激部位の痛みや不快感を覚える方もいます。治療を継続する中で軽くなっていきます。
過去に治療された方は、「最初はびっくりしたけど、だんだん慣れました」「耐えられる痛さよ、大丈夫」と話をされています。 -
「対象の方」であれば、治療を受けることができますか?
手術等により磁気に反応する金属が頭部にある方や、心臓にペースメーカーを入れている方は治療を受けることができません。治療前に磁気刺激に対して反応があるかを確認しますが、反応が出にくく治 療ができない場合もあります。(紹介による受診で、rTMS 療法の実施が確約されるものではないことに留意ください。)
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rTMS 療法だけで症状は緩和されますか?
rTMS 療法の他にも服薬治療を継続し、作業療法やカウンセリング・各種ミーティングを活用して症状の緩和を目指します。
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30回の治療を受けた後は、どのような治療になりますか?
医師と相談して治療を決定します。継続して治療を受けること(維持 rTMS)こともできます。その場合は医療保険適応外となり、実費負担となります。詳細は医師へご相談ください。
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かかりつけの病院が他院なのですが、rTMS 療法を受けることはできますか?
かかりつけの病院で紹介状を書いてもらい、当院の受診予約をお取りください。(代表 096-272-7211)