病気の話

アルコール依存症

 アルコール依存症は、単なる「飲んだくれ」では済まない深刻な病気です。
 まずは専門医へご相談ください。

はじめに

 「アルコール依存症」と聞くと、『飲んだくれの親父が家で暴れて、家族が泣いている』ようなイメージを持たれる方が多いと思います。たしかにそのような状況もありますが、これほど理解されにくい病気は少ないのです。つまり、お酒による問題は本人の責任であり、いわゆる"病気"とは思われず人からも同情されません。しかし、依存症に陥ると精神的にも肉体的にもそこから抜け出すことは困難で、多量飲酒により身体を壊すだけでなく、仕事も辞めざるを得ない状況に追い込まれ、さらに家庭崩壊となることも少なくありません。

アルコール依存症とは

 それでは、アルコール依存症とはどのような病気なのでしょうか?
 一般的には、飲酒のコントロールができず、本来大切なはずの家族・仕事・自分の身体よりも『飲酒を優先させてしまう状態』とされています。すなわち、お酒を飲むことが自分の最重要課題となっているため、仕事があろうが、家族や他人に迷惑を掛けようが、さらには自分の健康を損なってしまおうが、飲酒を辞めることができなくなってしまうのです。依存症では、常に体内に一定以上のアルコールを維持するためにお酒を飲み続けることになり、はじめは飲みたいからと飲んでいたのが、後にお酒がなくなることによる苦しさ(離脱症状)を抑えるために嫌々でも飲み続けるようになります。また、アルコール依存症患者は自分の健康を損なうだけでなく、家族や友人にも多大な迷惑をかけるのに、自分は病気であるという認識がなく進んで治療を受けようとしません。
 これがアルコール依存症の治療をさらに難しくさせ、結果的に10年で依存症患者の4割もの方が亡くなるという恐ろしい病気となるのです。

アルコール依存症の治療

 アルコール依存症の唯一の治療は、生涯にわたる"断酒"、これしかありません。多くの依存症者は、断酒しなくても"節酒"をすればよい、と考え、一時的にはお酒の量を減らそうとしますが、絶対にうまくいきません。なぜなら、「お酒に依存=支配」されているためコントロールは不可能で、何度節酒を試みてもすぐにまた酒浸りの生活に戻ってしまうからです。したがって、精神科病院で断酒を目的とした治療が必要です。特にアルコール離脱症状がある人や、通院では断酒ができない人など、入院治療が必要な場合も少なくありません。
 入院では、離脱症状の治療、断酒のための教育などを行い、自分の現実を直視し、お酒に対する考え方を変え、断酒の決意を促すことを目標としています。さらに退院後は、通院治療・抗酒剤服用・自助グループ(断酒会)参加、という断酒の3本柱を中心に治療を継続していきます。特に自助グループでは、自らの酒害体験や、回復に向けての過程を語り合い、それらを共有することで、同じ問題を持つ仲間とともに断酒を継続する大きな力が生まれます。

 当院でも、外来での相談やアルコールミーティング(自助グループ)など、アルコール依存症患者さんの治療を行っておりますので、お酒をやめたいのにやめられない方、依存症の家族に困っておられる方も、一度ご相談ください。

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