病気の話

睡眠障害(不眠)

 睡眠障害を適切に治療するためには、患者さんの睡眠に関する訴えから症状を把握し、鑑別診断および検査を経て治療方針を決定することが重要です。

 睡眠障害のうちの一つである不眠は、臨床場面で最も高頻度に認められる病態です。わが国における最近の調査によると、成人の21.4%に不眠の訴えがみられます。不眠は小児期や青年期では稀です。典型的には20~30歳代に始まり、中年以降から急激に増加し、40~50歳代でピークを示します。
 不眠とは、毎晩の睡眠時間の長短に関わらず不調を訴え、身体的、精神的、社会的に支障があると判断した状態です。これは次のとおりに分けられます。

①入眠障害

 就床後入眠するまでの時間が延長し、寝付きが悪くなります。不眠の訴えのなかでは最も多いものです。一般的には入眠に30分~1時間以上かかり、本人がそれを苦痛であると感じていることをいいます。

②中途覚醒

 いったん入眠した後、翌朝起床するまでの間に何度も目が覚める状態のことをいいます。ただし、中途覚醒は加齢に伴って健常者でも増加します。

③熟眠障害

 睡眠時間は十分であるにも関わらず、深く眠った感覚が得られない状態のことをいいます。

④早朝覚醒

 本人が望む時刻、あるいは通常の起床時刻の2時間以上前に覚醒してしまい、その後再入眠できない状態のことをいいます。これも加齢に伴って増加します。

 不眠の原因としては、咳や喘息、あるいは熱やかゆみなど体調を崩していることや身体的不快が原因によって起きる不眠(身体的原因)、旅行による時差、枕が変わったことや暑さや騒音、明るさなどの影響で眠れなくなったりするなど、環境の変化が原因によって起きる不眠(生理学的原因)、悩みやイライラ、極度の緊張から精神的にストレスがたまるなどの原因で眠れなくなってしまう不眠(心理学的原因)、うつ病や統合失調症などの精神疾患が原因による不眠(精神医学的原因)、薬の副作用やアルコール、カフェインの摂取が原因によって起きる不眠(薬理学的原因)が挙げられます。
 睡眠障害に対処するためには、睡眠に関する正しい知識をもつことが大切です。近年の健康への欲求の高まりによりインターネット上などでもさまざまな健康知識が氾濫していますが、ここでは科学的根拠に基づく正しい睡眠知識をいくつか示します。

  • 眠たくなってから床につく、就床時刻や睡眠時間にこだわりすぎない
  • 寝る前には自分なりのリラックス法を行う
  • 毎日同じ時刻に起床する
  • 目が覚めたら日光を取り入れる、夜は照明を明るくさせすぎない
  • 規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣を心がける
  • 昼寝をするなら15時前の20~30分にする
  • 睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
  • 寝る前に睡眠を妨げるもの(カフェイン、アルコールなど)の摂取を避ける
  • 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全である

 不眠は人それぞれ原因や種類も違います。医師と相談しながら治療を進めていくことが大切です。

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