病気の話

統合失調症

 統合失調症は、さまざまな遺伝因子と環境因子が影響し合って発症する病気です。
 患者さんの症状や回復に応じて治療します。

歴史

 「統合失調症」の症状の記載は古く、古代エジプト文明まで遡ります。しかし、心の病気としての理解はなかなか深まらず、19世紀後半から20世紀初頭にかけ、ドイツにおいて初めて統合失調症の概念が作られました。また、日本では以前「精神分裂病」と訳されていましたが、2002年に現在の呼称に変更されました。

疫学

 生涯有病率は約1%です。つまり、一生のうちに約100人に1人が統合失調症という病気になることを意味します。
 発症しやすい年齢は、男性は15~25歳、女性は25~35歳で、比較的人生の早い時期に発症する病気です。

病因

 さまざまな原因が考えられています。一つには、脳内のドーパミンという神経伝達物質が過剰に分泌されているということや、セロトニンという神経伝達物質の低下が挙げられます。また、胎児期の低栄養、ウイルス感染も関係があるのではないかと言われています。
 多くの研究からも、家族に統合失調症患者がいる人は、高い確率で統合失調症になることがわかっています。ある考え方では、胎児期に遺伝子や環境により脳がストレスに対しての「弱さ」を持つようになり、思春期・青年期に起こる社会心理的ストレスにより発症に繋がるとされています。このように、さまざまな遺伝因子と環境因子が影響しあって発症する病気なのです。

症状

 大きく分けて、「陽性症状」と「陰性症状」があります。
 陽性症状は、発病後まもない急性期や再発時にみられる症状で、幻聴、妄想、思考の障害が中心となります。幻聴の内容は、脅迫、命令、侮辱、攻撃するものであったり、自分の言動に対するコメントであったりします。声同士が互いに会話することもあります。妄想は、周囲から悪口を言われている、見張られているといった被害妄想や、テレビや新聞が自分のことを言っていると考えるような関係妄想が挙げられます。また、自分の声が音声となって聞こえてきたり、自分の考えではない考えが突然浮かび上がってきたり、周囲の考えが自分に吹き込まれたり、自分の考えが相手に知られてしまったり、自分の行動が外部から操作されているといった体験をします。
 陰性症状は、回復期に長期にみられる慢性の症状です。具体的には、周囲に対して無関心になり、表情や声の感情表出が乏しくなったり、注意力、集中力が続かず、身だしなみに無関心になったり、コミュニケーション能力が低下し、社会的引きこもりとなることなどが挙げられます。

治療

 薬物療法、精神療法、リハビリテーションが治療の大きな柱となります。薬物療法では、主に抗精神病薬を使用し、ドーパミンやセロトニンなど脳内のさまざまな神経伝達物質の流れを整えます。精神療法では、心理・精神的なサポートを通じて、心の安定をはかります。リハビリテーションは、急性期の激しい症状が落ち着いた後に、患者さんの症状、回復過程に応じて行います。対人関係やストレスへの対処法を学び、日常生活や社会生活への適応力を回復させていきます。

「病気の話」TOPへ戻る

  • 交通アクセス
  • 病気の話
  • 広報誌
  • 求人情報